今週の一冊『父と息子のフィルムクラブ(デヴィット・ギルモア著)』
学校をドロップアウトした息子に対して、父親は言う。
「これから、週に3本、映画を一緒に見てほしいんだよ。見る映画はわたしが選ぶ。それが、これからおまえが受ける唯一の教育だ」
こうして、父と息子のフィルムクラブは始まった。
実話であり、それは3年間続いた。
これはただの映画評論の本でもなく、ある一部の映画を薦めるものでもない。
学校をドロップアウトした子供の教育として、学校に戻るように説得するとか、転校を勧めるとか、色々な考えがあると思う。
が、この父親は一緒に映画を観ることを選んだ。
何が正しいか正しくないかはわからないが、10年後、20年後に本人が当時のことを「そんなこともあったよね!!」と父親と笑顔で振り返ることができたのなら、本人にとってそれ以上ない充実した人生になっているのではないだろうか。
教育方針は十人十色。
子供を持つ親にとってこの本は、子供の教育方法は一つじゃないのだと気付かせてくれる貴重な本だとも言えると思う。